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遠のく死刑廃止論

昨日23日、差し戻し審において高裁は、被告に死刑判決を言い渡した。そのさい、被告は原告の本村洋さんに向かって一礼をして退廷して行ったという。

被告に対する量刑は、犯罪内容かつ本人から友人に宛てた手紙から判断すれば、当然であるだろうと思う。

しかし、何か割り切れないものがある。それは、今回の判決が見せしめと報復以外の何物でもなかったのではと云う思いがあるからだ。

地裁も高裁も無期懲役を宣告しているのに、あえて最高裁が高裁差し戻し=事実上の死刑判決をおこなう意味は一体何だったのであろうか。

それは、最近の司法判断の流れが「極刑主義」に傾いていることだ。今年に入っても、鳩山法相による立て続けの死刑執行命令。袴田事件、最高裁再審却下などがあげられる。今回の判決もこれらの流れの一環とすれば容易に理解できるのではないか。

メディアによる死刑執行の大合唱

メディアはこの間、被害者遺族である本村洋さんが、主張・運動している被告への報復とも取れる死刑判決要求運動を肯定的に報道してきたことだ。まさに、死刑執行の扇動(プロパガンダ)的役割を行使してきたと言ってもよい。

一面的報道は、ことの本質を覆い隠してしまう。それは「法を違反した者に対しては極刑を」の面が一人歩きしてしまい、被告が犯罪に走った、走らざるを得なかった社会的過程・社会的要因がウヤムヤにされてしまうことだ。
こういったものを、許せば、犯罪に対する間違った先入観が先行することによって、予断・偏見の意識が国民を覆ってしまうことにも、なりかねない。

今、私たちに求められていることは、一面的な報道の垂れ流しに対して異議を唱えることだ。








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